組織風土改革のための社員エンゲージメント調査-インサイト

組織風土改革のためのトータルコンサルティング

エンゲージメント調査「インサイト」の概要
コーン・フェリー・ヘイグループは、グローバルな社員エンゲージメント調査/社員意識調査である「インサイト」を世界中の企業に提供しています。この調査は、下記の14の切り口から組織風土を可視化し、経営陣が社員の思いを把握したり、組織風土の改革や、経営状況のモニタリング、グローバル/グループのガバナンスにつなげていくことを可能にします。

( 1 ) 社員エンゲージメント
( 2 ) 社員を活かす環境
( 3 ) 戦略・方向性
( 4 ) リーダーシップ
( 5 ) 品質・顧客志向
( 6 ) 個人の尊重
( 7 ) 成長の機会
( 8 ) 報酬・福利厚生
( 9 ) 業績管理
(10) 権限・裁量
(11) リソース
(12) 教育・研修
(13) 協力体制
(14) 業務プロセス・組織体制

この調査は、上記14の切り口に関する合計47の質問項目があり、全社員に対してオンライン調査の形で回答をいただくことで、部門別・子会社別・地域別・部署別・職位別・職種別など、様々な切り口から組織風土を可視化していきます。各切り口や質問項目について、どの程度の社員が肯定的に捉えているのか、それは日本企業やグローバル企業の平均的水準と比べてどのような特徴があるのかなどが分かります。

特に、(1)社員エンゲージメントと、(2)社員を活かす環境の2つについて肯定的に捉えている社員を「活躍社員」と呼び、活躍社員の比率が高いほど、組織が活性化し、企業のパフォーマンスもいいことが分かっています。

また、上記の(1)から(14)までの切り口を見たとき、(3)戦略・方向性、(4)リーダーシップ、(5)品質・顧客志向の3つの切り口は、経営陣から社員への働きかけを強化する(トップダウンのアプローチ)ことによって改善できることが分かっています。一方、(6)個人の尊重、(7)成長の機会、(9)業績管理、(10)権限・裁量、(13)協力体制などは、ミドルマネジメントの強化によって改善できることが分かっています。

さらに面白いことには、トップダウンとミドルマネジメントの両方が利いている企業だけが、(1)社員エンゲージメントが他社よりも高く出てくる傾向があるのです。トップダウンかミドルマネジメントのいずれかでも他社並みになってしまうと、(1)社員エンゲージメントもそれに応じて下がってしまうのです。トップダウンとミドルマネジメントは、社員のベクトルを合わせ、組織力を引き出す上で、車の両輪といえます。

例えば、カリスマ的なトップがいる会社では、
(3)戦略・方向性、(4)リーダーシップ、(5)品質・顧客志向などが顕著に高く出てくる一方で、ミドルマネジメントがそれについていけておらず、(6)個人の尊重、(7)成長の機会、(9)業績管理、(10)権限・裁量、(13)協力体制などが低く出てくることがよくあります。そうした会社では、せっかくトップが社員から高い支持を受けているにもかかわらず、残念ながら(1)社員エンゲージメントは高く出てきません。こうした会社は、むしろミドルマネジャーを育成することによって社員エンゲージメントを高めることが可能になります。

その逆に、かつてはトップダウンとミドルマネジメントの両輪が回っていて、社員エンゲージメントが高かった会社が、最近の経営環境の不透明化、デジタル革命によるものづくりの収益性の低下などによって、向かうべき方向性が見えにくくなっている会社もあります。こうした会社では、
(3)戦略・方向性、(4)リーダーシップ、(5)品質・顧客志向などが以前よりも低くなり、それに合わせて(1)社員エンゲージメントも低下する傾向が見られます。こうした状況を放置しておくと、迷走が始まってしまうことにもなりかねません。

エンゲージメント調査を導入する企業の3つの目的
この社員エンゲージメント調査/社員意識調査「インサイト」は、主に3つの目的で用いられます。まず1番目として、中期経営計画を策定する際に、現状の組織・人事面の課題を幅広く洗い出す目的で用いられます。先ほど述べたように、経営方針が前線まで伝わっているかどうか、ミドルマネジメントが機能しているかどうか、社員のエンゲージメントは高いかどうか、報酬・福利厚生・評価制度・教育研修などの制度設計に改善余地はないかどうかなどについて、現状をベンチマーキングし、最も効果的な打ち手を絞り込むことが可能になります。

次に、グローバル経営やグループ経営を行う企業が、各部門や子会社の経営状況をモニタリングし、ガバナンスを利かせる目的で導入されます。様々な国や業種に事業が広がるにつれて、コンプライアンスやパワハラ問題、中核人材の流出などが経営上の大きなリスクになってきます。このため、マネジメント上の問題を早期に把握し、必要なアクションをとれる経営インフラをもつことが求められます。特に、国や地域が違うと、同じ質問に対する回答傾向にも大きな違いが出てきます。ラテン系の国や地域では比較的高めの回答傾向が出るのに対して、日本などは低目に出てきます。このため、国別のベンチマーキングデータとの比較をしてみないと、手を打つべき問題なのかどうかが判断できないこともあります。こうした目的で社員エンゲージメント調査/社員意識調査を導入する企業が増えてきています。

最後に、3つめの目的は、ラインマネジャーが担当部門の組織風土や社員の思いを把握し、自主的に改善活動に取り組むことを支援することです。1~2年毎に社員エンゲージメント調査/社員意識調査を実施し、その結果をラインマネジャーにフィードバックするとともに、改善活動に取り組むことで、組織風土や社員エンゲージメントを継続的に改善している企業もあります。実際、実証研究から明らかになってきたことですが、「前回調査以後、あなたの職場では改善のための活動に取り組んでいますか」という質問に対する肯定的回答率が50%を超えた職場では、社員エンゲージメントが8ポイントほど改善する傾向があります。

日本企業の組織風土の気になるトレンド
コーン・フェリー・ヘイグループは、社員エンゲージメント調査/社員意識調査「インサイト」を、日本だけでなく、世界中の企業に提供し、毎年のようにデータを蓄積してきています。このため、毎年の回答傾向を時系列に並べ、その推移や変化を見ることができますが、近年日本企業の組織風土に、気になる変化が生じていることが明らかになってきています。それは次のような傾向です。

  •  「2~3年先のビジネスの見通し」「経営陣への信頼感」は悪くないのに、「戦略の妥当性」に関する肯定的回答率が下がってきている。
  •  「やりがいのある仕事をする機会」「個人の尊重」「成長の機会」などは以前と変わっていないか、むしろ改善しているにも関わらず、「社員エンゲージメント」「会社に対する誇り」「高い目標にチャレンジする風土」は低下している。
  •  「決められた業務分担を越えて仕事に取り組む姿勢」など、かつて日本企業の方が海外の企業よりも高く出ていた項目で、肯定的回答率が下がってきている

つまり、短期的な見通しは悪くないものの、将来の戦略については不透明感がある。いまの仕事自体はやりがいがあるものの、求められる以上のことをやろうとまでは思わない。こんな意識が浮かび上がってきます。

これらの背景に何があるのかを探るために、職種別・年齢層別の社員エンゲージメントを見てみると、海外では職種、年齢による差はそれほど大きくないのに対して、日本企業では、生産や品質管理関連の職務、60歳以上の層で、エンゲージメントが大きく下がっていることが分かってきました。ここから推察されることは以下の通りです。

  • 国内市場の縮小、事業のグローバル化に伴い、国内生産拠点のエンゲージメントが低下している
  • デジタル革命により、ものづくりの収益性・成長性が低下し、将来に対する不安が生じている
  • このため、決められた業務分担を越えて仕事に取り組んだり、高い目標にチャレンジすることに、社員が躊躇しはじめている
  • また、高齢化が進み、定年後再雇用でモチベーションの下がった社員が周囲に増加していることが、組織全体のエンゲージメントを下げている

     

組織風土改革のためのトータルコンサルティング
コーン・フェリー・ヘイグループは、組織人事コンサルティング・ファームのパイオニアです。実証研究に裏づけられた科学的手法により、組織風土やリーダーシップ、社員の行動パターンや動機、価値観といった目に見えない要素を可視化し、組織の問題を解決するコンサルティングを提供しています。社員エンゲージメント調査/社員意識調査「インサイト」を提供するに留まらず、そこで浮かび上がった問題を解決するところまでをサポートしています。以下では、組織風土改革の進め方と解決策について、いくつかの事例を紹介させて頂きます。

社員エンゲージメント調査/社員意識調査では、先にも述べたように、14の切り口について、組織別・地域別・職位別・職種別など、様々な観点で結果を分析することが可能になります。そこで浮かび上がった現象の背後に、どのような原因があるのか、どうすればそれを解消できるのかについて、まずコンサルタントが仮説を立てます。過去の様々な企業での組織風土改革の経験や、業種別の傾向などを勘案することで、初期仮説を立てることが可能です。

それができると、次にインタビュー調査を実施します。実際に問題が発生している部署や職位、職種の社員にインタビューを行うことで、様々な立場の人たちにその問題がどのように見えているのか、その問題が生まれてきた歴史的背景、主たる要因などが解明されていきます。

問題の構造や原因が絞り込まれると、次はその解決策の実施に移っていきます。ある企業では、せっかくトップのリーダーシップが利いているにも関わらず、ミドルマネジメントがそれについていけておらず、部署間のベクトルが一致せず、無駄な仕事が増え、社員のエンゲージメントやモチベーションが下がるという、もったいない状態になっていました。そこで、コーン・フェリー・ヘイグループのリーダーシップ診断を全部長・課長を対象に実施し、自分のリーダーシップのどこに問題があって組織の風土が低迷しているのかを具体的にフィードバックしました。このリーダーシップ診断は、組織風土の傾向や、リーダーシップのタイプに応じて具体的な行動改革の方向性が示されるため、単に社員意識調査の結果をフィードバックするだけの場合と比べると、改革に取り組む動機に大きな違いが出てきます。

また、別の会社では、直属上司のマネジメントに対する信頼感は高いものの、事業部門の経営の方向性が見えにくくなっており、社員エンゲージメントが低下するという問題に直面していました。この会社は、多様な事業体から構成されるコングロマリットであるため、個々の事業の方向性を示すのは事業部門長の役割になります。もちろん、事業部門長も期初にタウンホールミーティングを実施するなどの工夫はしていたのですが、昨今の経営環境の激変によって、将来の方向性が見えにくくなり、それが組織風土やエンゲージメントにマイナスの影響を及ぼしていました。

このため、この会社では新しい経営環境の中で、事業部の方向性を描ける経営人材の育成強化が必要であると認識し、経営人材のアセスメントと、事業部門長の後継者育成策を導入することになりました。これは、それまでの年功的な組織風土を大きく変え、組織に緊張感を持たせるという大きな決断を下したことになります。その実行と定着化を支援するため、コーン・フェリー・ヘイグループは、経営人材に求められるコンピテンシーモデルや、実証研究の結果に裏づけられたアセスメント手法を提供しています。

このように、組織人事コンサルティングのパイオニアであるがゆえに、社員エンゲージメント調査/社員意識調査の実施から、インタビュー調査による仮説の検証、問題解決策の提案と実行・定着支援までの包括的なコンサルテーションを提供させて頂くことが可能です。

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