戦略の実行とチェンジマネジメント

戦略の実行に関するコーン・フェリーの統合ソリューション

戦略実行の難易度が高まる
デジタル革命の進展や、経済のグローバル化、国内市場の縮小などにより、新たな戦略の実行が求められる時代になってきています。従来の成功パターンに頼っているだけでは新たな価値を生み出すことは難しくなり、既存のビジネスモデルを回す活動から、新たな企業価値を生み出す活動へと、人や経営資源をシフトしていくことが求められています。

しかし、トップが新しいビジネスモデルや付加価値構造の確立を訴える一方で、現場は逆に従来のビジネスモデルで短期の利益を刈り取ることに終始している企業が少なくありません。従来の成功パターンでは、もはや利益があがりにくくなっているにも関わらず、現場の努力に解決策を求め、先の見えない努力を続けている企業もあります。時代の転換点において、新たな戦略を実行することは容易ではないということです。

従来のビジネスから新たなビジネスへと人や資源をシフトするためには、まず新しい戦略を主導する役割を設け、そこに適材を配置する必要があります。ある企業では、経営企画部門にデジタル技術やデータを活用した新たなビジネスモデルを考える部署を設置し、そこに社内外から適材を集めて、事業立上げに取り組んでいます。別の企業では、グローバルな連携を強化する上で戦略的に重要なポジションを洗い出し、社内からベストタレントを選び出して配置することに取り組んでいます。

コーン・フェリーは、こうした新たな戦略を実行する企業に対して、「組織体制・役割の設計」「アセスメントを通じた適材の発掘と配置」「エグゼクティブ・サーチによる外部からの人材採用」などのサポートを提供しています。コーン・フェリーは、組織人事コンサルティングとエグゼクティブ・サーチの二つの領域のプロフェッショナルを擁する世界で唯一のコンサルティング・ファームです。このため、「新たなビジネスモデルや付加価値構造を構築する上で、どのような知識・経験を持った人材が必要になるのか」「新しい環境の中で迅速に学習し、成果を出せる人材は誰なのか」「そうした人材が社内にいない場合、社外から採用することは容易なのか」、こうした問いに対して包括的に答えることができます。

既存の事業において適材適所を実現することは、経験豊富な経営者や人事部門にとってそれほど困難なことではありませんが、新しいビジネスモデルの実現において、適材適所を成し遂げることは容易ではありません。既存の事業部門が適材を抱え込んだり、適材と見込んだ人が新たなリスクテイクを怖れたり、そもそも社内に適材がいないことが珍しくありません。一方で、コーン・フェリーは、外部からの経営者の採用や、その後の組織改革を通じて、新たな戦略の実行に取り組む企業を支援してきました。こうした経験が、いま多くの企業の変革を支援することに役立っています。

社員の行動改革を促すチェンジマネジメント
戦略の実行には、新たな役割/ポジションの設置や適材適所の実現に加えて、社員の行動改革も重要になります。多くの場合、社員は新しい取り組みに対して不安を抱き、新たなリスクを避け、これまでの成功パターンにしがみつこうとします。このため、社員の行動を変えるためのチェンジマネジメントが重要になります。コーン・フェリーは「リーダーシップ改革」「評価報酬制度改革」などを通じて、クライアントのチェンジマネジメントをサポートしています。

まず、社員の行動改革を後押ししようとすると、先頭に立つリーダーの振る舞いが重要になります。コーン・フェリーは、コーン・フェリー・インスティチュートにおける産学連携の調査研究活動を通じて、効果的なリーダーシップのあり方を解明してきました。また、それに基づき、リーダーシップ開発のための方法論を確立しています。

例えば、変革期においては組織の方向性が見えにくくなり、それが組織のベクトルを合いにくくし、求心力が失われる原因になります。その際、リーダーがビジョンを共有する活動に時間とエネルギーを投じられるかどうかが、成功の鍵を握ります。対話が重要になるのです。日本人のリーダーは、ビジョンを示すことなく、その場その場の指示命令で社員を動かそうとしたり、部下を束ねることを疎かにして自らがプレイヤーとして動いてしまう人が多い傾向があります。しかし、この動き方は既存のビジネスを回す際にはまだ有効であるものの、社員の行動改革を成功させる上では阻害要因になることが分かっています。このため、新しい領域で舵取りを任せるリーダーの行動特性を把握し、適任でない場合はコーチングを行なったり、人選を見直すなどが必要になります。

また、社員の行動を新たな方向に変えるためには、評価報酬制度の見直しも重要になります。新たなリスクを取って成果を狙いに行く社員が適正に評価・処遇されないようでは、変革に対して社員の支持を取り付けることは難しいでしょう。コーン・フェリーは、リーダーシップ改革と人事制度改革の両面に強みを持ち、様々な企業における社員の行動改革を支援しています。

付加価値構造の変革を実現する
ここで、具体的な事例をひとつ挙げましょう。テクノロジーの業界はドッグイヤーと言われるほど環境の変化が速く、その中をサバイバルするためには、絶えず付加価値構造を変革し、新たな価値を生み出し続ける必要があります。そうした中で、垂直統合型のビジネスモデルを、オープンな水平分業型のビジネスモデルに刷新し、ハードからソリューションに収入源を大きくシフトするという、新たな戦略の実行に成功した企業の事例です。多くの日本企業にとっても参考となる事例ではないかと思われます。

この会社は、技術的変化に適応するのに遅れ、従来のビジネスモデルでは次第に利益を出せなくなり、トップの交代に追い込まれました。しかし、新しい経営環境に精通した人材が社内にいなかったことから、思い切ってトップを社外から招聘することにしました。この企業のビジネスモデルを再構築できる人材が社外にいるのかどうかをまず調査し、候補者をリストアップしました。そこからインタビューを通じて候補者を絞り込み、最後は別の企業のCEOを務めている人材を説得する形でトップを招聘しました。エグゼクティブ・サーチの本質は、職を探している人を紹介するのでなく、その役割を実行する上で最も適した人材を探してくるところにあるといえます。

次に、新しいCEOは、社内で変革の舵取りを任せられる「右腕」になる人たちの発掘に取り掛かりました。ここで、コーン・フェリーはアセスメントを通じた人材の発掘もサポートしています。おもしろいことに、CEOが白羽の矢を立てた人物たちは、いずれもコーン・フェリーの診断で、共通した特性を示していました。それは、成果達成のために努力を惜しまず、様々な利害関係者との対立を怖れず、社会的に意味のあることを成し遂げたいというマインドセットを持っていることでした。彼らはその後、実際に新しい戦略の実行を主導する役割を果たしていきます。

また、この会社の付加価値構造を変えるためには、ハードの売り切りから、ソリューションの提供へと、ビジネスプロセスを変革する必要がありました。このため、顧客に対してハード、ソフト、サービスを組み合わせてソリューションを提供する役割・ポストを新設し、そこに適材を配置する人事異動を実行しました。コーン・フェリーは、新たな役割において成果を出せる人材特性を調査し、適材を発掘するサポートを行なっています。こうした適材適所の実現が、短期間でソリューション収入を拡大する原動力になりました。

一方、適材適所の配置と並行して、社員の行動改革にも本腰を入れて取り組んでいます。まず、毎年100人を越えるリーダーを世界中から選抜し、リーダーシップ改革のためのコーチングプログラムを提供しました。コーン・フェリーのリーダーシップ改革プログラムは、そのリーダーが社員の行動改革をどの程度主導できているかを見える化するとともに、より効果的なリーダーシップのあり方を具体的に提示します。これを用いることで、そのリーダーの性格特性や、彼らが置かれた職場環境に合わせた具体的なコーチングが可能になり、パフォーマンスを最大限に高めることができます。

また、一般社員に対しては、新たな行動規範を導入し、行動改革に積極的に取り組む社員が評価される人事制度としました。マネジャーの中には、どうしても過去の成功パターンに寄りかかって組織の運営を行なったり、社員を評価する人が少なくありませんでしたが、新しい行動規範に基づく評価を徹底したことにより、次第にマネジャーの日常の言動が変わっていきました。

適材適所と行動改革は車の両輪
以上紹介したように、適材適所の実現と社員の行動改革は、新しい戦略を実行する上で車の両輪になるといえるでしょう。戦略実行の要になるポジションに就く人を入れ替えただけで、急に組織のダイナミズムが変わることはよくあります。新しいビジネスモデルを構築する場合には、新たなポジションを設置するところから始めなければならない場合も多く、適材を探して登用すること自体に苦労を伴いますが、そこがブレークスルーできれば大きな前進につながります。

また、新たなビジネスモデルを現場のプロセスに落とし込み、定着させるためには、社員の行動改革への注力も欠かせません。そこでは、できることならリスクを回避し、これまでの成功体験が通じる領域で評価・処遇されたいという人の意識を変えることが求められます。このため、社員を導き、評価する立場にあるリーダー層への働きかけや、支援、コーチングが重要になります。


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